ponの日々精進

雨の中に立ちつくさないこと

(2008/02/03 Sun)
ある掲示板で、歯医者さんの書き込みが目に止まった。
「良かれと思ってしたことで、患者さんを苦しめてきた半生だった。
せめてもの償いに、残された人生を治療に捧げる・・・」

歯医者さんから、こんな懺悔の言葉を聞かされたことはかつてない。
自分とは何ら接点はないだろうその先生の言葉に、私は慰謝された気持ちになった。

私はその先生に短い言葉でコメントをつけた。
その言葉に対して、先生はとても丁寧な返事をくださった。

先生は
「身体症状以上に、この先どうなるのかという不安と孤独の精神世界がつらいでしょう。」
と書かれていた。

発症から9年が経ち、慢性化した今、痛みもほとんどなく暮らせている私だけれど、
完治することはない。
60歳になった時の自分を思い描いた時、漠然とした不安があった。
それを見抜かれたような気持ちになった。

先生のお返事の中にこんな言葉があった。
「雨の中に立ちつくさないこと」

何故か、日が経つにつれ、この言葉が私の心に火のように灯っていることに気付いた。

雨の中に立ちつくさないこと・・・。

あぁ、私はずいぶんと長い間、雨の中に立ちつくしてきた。
雨を降らせていたのは私自身だったんじゃないか。

この雨を止めるのは私自身・・・。
私の顎を壊したのが歯科医であれ、衛生士であれ、治すのは私自身。

自分に内在する壊す力を止めること。

今はまだ完全に止めることはできないけれど、「あ、雨が降ってるな」と気付いたら、
自分で雨を止める努力を忘れないようにしよう、と思った。


そして、患者が自力で雨を止められるようになるまで、
医療機関が雨宿りの場であってくれれば・・・と・・・。


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あの事件

(2007/12/08 Sat)
先日四国でおばあちゃんと子供が行方不明になった事件、
ネットでもテレビでも、お父さんがマークされていたらしい。

色々な噂が飛び交っていた。
何だか違和感を覚えた。
そんなに単純な事件なのだろうか?

お父さんの目を見ていると、嘘をつく人のようには思えなかった。


真犯人が捕まって、お父さんへの疑いが晴れた。
お父さんは目を真っ赤にしていた。

実の親が、実の子を殺す時代だ。
でも、お父さんは自分の子供だけじゃなく、妻の母の死も悲しんでいた。

血がつながってなくても家族なんだよ。

そういう感覚のわからない人が増えているのかもしれない、
と思った。



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赤いバラ

(2007/12/07 Fri)
夕方、近所のスーパーに買い物に行った。
お買い得品のお肉をゲットして、レジへ・・・

前に並んでる作業着姿の初老のおじさん、仕事帰りみたい。
おじさんの手に握られていたものに目が止まった。

赤いバラの花束。
小さなケーキの箱。

あ、きっと今日は奥さんの誕生日なんだ(^-^)

ちょっと照れくさそうに花束の代金を払うおじさんを見送って、
ほのぼのしてしまった。



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トラウマ

(2007/11/23 Fri)
何ヶ月か前のこと。

ある人に、自分の顎関節症について身の上話をしたことがあった。

顎関節症を発症してから、そのことが原因で泣いたことはなかったのに、
何故か涙がこみ上げてきた。

パンドラの箱が開いたように、当時の出来事が悪夢のように蘇った。
どうして私、あの時我慢してしまったんだろう―?


今お世話になっている先生には、安心して治療をお任せできている。
でも、衛生士に対しては、ずっと不信感があった。
いつも警戒していた。
何をされるかわからない。
歯科医でもない彼女達に口腔内の処置を任せることがとても恐かった。


自分の発症の経緯をつぶさに振り返り、ふと、気付いた。

私の顎を壊した、決定的に壊したのは、歯科医でもないのに私の歯を削った
衛生士だ。
それが自分にとって、今もトラウマになっているとは思っていなかった。

当時起こったことは全て不幸な偶然が重なっただけ、
誰一人悪意の人間はいなかった、と、
頭では整理がついているつもりだった。


何故か、自分に巣食っていた「衛生士」への感情 ―自分の恐怖の正体―
に気付いてから、今の歯科で接する「衛生士さん」に心を許せるようになった。

彼女達一人ひとりに名前があり、積んできた経験があること―
そんな当たり前のことから、目を逸らしていたのは私。

そのことに気付いてから、診察台の上で、少しリラックスできるようになった。


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ある掲示板

(2007/11/14 Wed)
いつ頃からか、毎日のように覗くようになり、
レスして、レスを返されて・・・
親しい人が増えて・・・。

書き込みがないと、寂しくなってきて、
自分でスレッドを立ててみたり。

でも、いつのまにか依存していると気付いた。

ブックマークを消して数日。

1ヶ月間は訪れないつもり。

一人になる。
一人になって、孤独と向き合う。



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エトセトラ

(2007/11/08 Thu)
自分が顎関節症を発症してからのことは、あまり改めて振り返ったことが
ありませんでした。
どんどん記憶が曖昧になっていて・・・忘れてしまう前に一度整理してみよう、
と思ったのが、このブログを始めた動機です。

途中、肝心なポイントをすっぽり書き落としていたことに気付き、
ログを整えるために、日付を変更したり・・・(^^;

発症から回復まで、とりあえず、何とか原則毎日更新を続けましたが、
これからは顎関節症に限らず、色んなテーマで不定期で更新していきたいと思います。

またよろしければ、覗いていただけましたら幸いです。



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佳帆 ◆ kahonikki at 2007/11/08 23:37
こんばんは。全部読ませていただきました。
ponさんの努力はもちろんですが、良い先生に巡り合えたことや、ご家族の協力も大きかったんですね。
顎関節症が悪化しないように、日常で今も気をつけていることがあったら教えてほしいです。

これからも来たいので、もしよかったらリンクさせてください。 [削除]
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pon ◆ ponpoco at 2007/11/11 00:29
佳帆さん、こんばんは。
レス遅れましたm(__)m日本海にカニを食べに行っていたもので・・・(^^;

そうですね。先生との出会い、家族の支え・・・
特に夫にはいっぱいケンカして鍛えてもらったような(笑)

私の場合は、骨が変形しているので、寝る時に顎が後退ぎみになります。
それを防ぐのに、今もプレートを着けています。
今は慢性化しているので、大きく悪化することはないと思います。
日常、気をつけていることと言えば・・・
日中歯を食いしばっているクセがあったのですが、
食いしばりが顎に良くないとある先生(主治医ではなく)からお聞きして、
食いしばりグセを直しました。
あとは気をつけていること・・・なるべく普通に暮らすことかなぁ?

佳帆さんの顎関節症は、今は日常生活に支障のない状態なんですね。
それなら、一番は虫歯を作らないこと、かなぁ?
もし作っても、顎のことを考えて治療してくださる先生がおられれば
それほど心配はないと思いますが、自分の歯に勝るものはないので・・・。
あと、歯周病なども顎への影響が多少あるので、定期的に歯科でメンテナンス
してもらえるといいですね。

リンク、ぜひぜひ(^-^)

これからは更新はサボリがちになるかもしれませんが、
また遊びに来てくださいね。 [削除]
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pon ◆ ponpoco at 2007/11/11 15:59
※佳帆さんのブログ、こちらからもリンクさせていただきました。 [削除]
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佳帆 ◆ kahonikki at 2007/11/12 00:23
リンクさせてもらいました。ありがとうございます♪
日々思ったことを書いてるだけのブログですが、
よかったら覗いてみてください。

やっぱり虫歯も関係あるんですね。
昔、歯列矯正をしてたことがあるんですが、
そこで虫歯の治療をしてもらったら、2日くらい顎が痛かったことがありました。
片方だけで噛まないように言われたので、それは気をつけてます。

今通っている歯科では、顎のことは特別何も言われませんね。
でも、虫歯の治療で顎が痛くなったことはないです。
虫歯がなくても、1年に1回くらいは見てもらってます。 [削除]
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pon at 2007/11/12 11:18
佳帆さん、リンクありがとうございます。

佳帆さんのブログ、拝見しました。
野球について書かれていることなど、鋭いなぁと思いながら拝見しました。
私はスポーツには全然興味がなかったのですが、夫のスポーツ好きに影響されて
多少興味が出てきました。
勝負の世界は厳しいが故の清々しさがありますよね・・・。

私も顎関節症を発症する前に、奥歯の被せ物が合わなくて、猛烈に顎が痛くなった
ことがありました。
その歯科で被せ物を削り取ったら、嘘みたいに顎の痛みがなくなって・・・。
恐くなってそこの歯科には二度と行かなくなりました。
その次の歯科でも失敗してしまったわけですが・・・(^^;

虫歯治療、というより、被せ物が合わなかったり、佳帆さんが言われるように
虫歯治療中の片噛みなどが良くなかったりするのかもしれませんね。 [削除]
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― 回復 ―

(2007/11/07 Wed)
M歯科では、虫歯治療と並行して、顎の治療を受けていました。

週1回くらいのペースで、プレートを調整し、
低周波治療器(マイオモニター)での治療を受けていました。

低周波治療器・・・へぇー、こんな小さな歯科にも置いてあるんだー。
こんなの意味ないんだけどなー・・・。

低周波治療器の効果を完全に否定してしまっていた私は、時間のない時は
「今日は結構です」と断ってしまうこともありました。

M先生のプレート調整は、心持ち顎を前に出した状態で行われていました。
それでも、着けていられないほどの違和感はなく、少しだけ前へ・・・
という調整の繰り返しでした。

顎関節症を発症したことで虫歯治療が遅れ、かなりの本数の虫歯の治療を
することになってしまいました。
虫歯の治療中は、顎が痛むこともありましたが、
M先生は私の顎を気遣いながら、少しずつ治療を進めてくれました。
全ての歯を治療し終わるまで、半年くらいかかりました。

虫歯の治療が終わってからも、顎の治療は続きました。

M先生の「治ります」という言葉を心の中で否定しながら、
予約を入れてもらうまま、流されるように、私はM歯科へ通い続けました。


M歯科へ通い始めて1年半・・・2年近く経った頃・・・
低周波治療器の効果を少し感じるようになりました。
治療後は、顎の力がスッと抜けて、体が柔軟になった感じがするように
なっていました。

ある日、先生が言われました。
「だいぶ顎が前へ出てきましたね」

「えっ?」
私は自分の体の変化に気付いていませんでした。

それから数日後、私は前歯でラーメンが噛み切れることに気付きました。
私の歯は、いつの間にか、奥歯だけでなく歯全体で噛み合うようになっていました。

ある時、夫が言いました。
「お前、ほんとに顎、良くなったな」

「そうかな?」
そう言えば、最近は食事で痛みが出ることも減ってる・・・。

顎関節症を発症してから、約4年が経っていました。
その間に、自分では気付かないくらいに少しずつ、私の顎は回復していました。

「一生治らない」のに「治る」・・・
「治る」って、こういうことなんだ・・・。

私は、大学病院の教授が言われた「関節にタコができる」という言葉を
思い出していました。

そして、M先生が言われた「治る」ということの意味を知りました―。



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― ストレスから逃げるな ―

(2007/11/06 Tue)
家事もろくにできない嫁に、夫の家族は優しく接してくれました。

それでも私は、なかなか本当の家族にはなりきれませんでした。
義母と数時間過ごして、自室に戻ると、ドッと疲れが出るのを感じていました。

ずっと義母に気を遣っていたことで、ストレスが筋肉痛となって
顎にたまり、顎がこわばるのを感じていました。

義母が私の体を気遣って、
「今晩すき焼きにしようと思うんだけど」
と言ってくれても、

「ごめんなさい、今日はちょっと・・・」
と断ってしまうこともありました。

夫に「ストレスが・・・」と訴えると、怒られました。

「ストレスから逃げてると、いつまでもストレスに弱いままだぞ。
ストレスに耐えられる体になれ」

夫の言葉を、最初は素直に受け入れることができませんでした。
あなたは、私がこういう体だと承知の上で結婚したんじゃないの・・・?

顎関節症を発症してからの私は、なるべくストレスのかからない
生活をしてきました。
そうすることで、自分の身を守っているつもりでした。

夫は言いました。
「ストレスを受け止めることで、ストレスに強くなるんだ。
みんなそうやって生きているんだぞ」

ストレスに強くなるって、どういうことだろう・・・?

それ以来、私は自分のわがままを抑えて、体調の悪い時も、
できるだけ家族とのコミュニケーションを取るように努めました。

私の体は次第に、ストレスを溜めない強さを取り戻していきました。



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― 顎を鍛えなさい ―

(2007/11/05 Mon)
M歯科に通い始めて、24時間着けていたプレートは、就寝時だけになりました。

プレートを着けず食事をするようになった時、私の歯は奥歯でしか噛み合って
いませんでした。
麺類などは、前歯では噛み切れませんでした。

顎関節症を発症してから、大学病院の主治医には
「肉やおせんべいなどは一生食べられません」
と言われていました。

実際、少しでも歯ごたえのあるものを食べると、顎に痛みが出ていました。
私は柔らかいものばかりを選んで食べていました。

夫の家族とは、2世帯住宅で、半同居のような形でした。
夕食などは、義母が作ってくれることが多く、
食卓には、一生食べることはないと思っていた、肉の塊などが並ぶことが
ありました。
とても食べられない・・・。

義母は言いました。
「いろんなものを食べて顎を鍛えないとダメよ」

冗談じゃない、と思いました。

顎の痛みが出ることを覚悟して、意を決して食べたお肉は・・・
義母が柔らかく調理してくれたものでした。
「柔らかい・・・美味しい・・・」

それ以来、私はいろんな食べ物にチャレンジするようになりました。
食べた後、痛みが出ることもありましたが、一度解禁してしまった美味しさは
もう止めることはできませんでした。

結婚して半年、私の体重は5キロも増えてしまいました。

そして、少しずつ寝込むことが減っていきました。



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― 「治ります」M先生との出会い ―

(2007/11/04 Sun)
翌2000年の春、私は彼の元へ嫁ぎました。

結婚したとは言うものの、体調のすぐれない日は寝込むことも多く、
家事も充分できないダメな嫁でした。

夏が来て、新生活に少し慣れた頃、顎関節症を発症して以来中断していた
虫歯の治療を再開することにしました。
夫の家族のかかりつけのM歯科を、義母にすすめられるまま、受診しました。

初めてM先生にお会いした時、何だか頼りない先生だな、と思いました。

私は自分が顎関節症を患っていることを簡単に説明しました。

M先生は、私の着けていたプレートを見て、言われました。
「下顎が後退したままになっているので、顎が前へ出るように調整します」
「??」
意味がわかりませんでした。

そして、M先生はこう言われました。
「治りますからね」

私は、ムッとして言いました。
「一生治らないって言われたんですけど」

M先生は笑って言われました。
「あぁそうですか」

先生は私がどれほど重症か、わかってない・・・。
MRIもない小さな歯医者・・・顎関節症の専門の先生でもない・・・。

治ることを諦めていた私は、今より顎が悪化しないようにしてもらえればいい・・・
と、あくまで虫歯の治療のつもりで、通院を始めました。


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