M歯科では、虫歯治療と並行して、顎の治療を受けていました。
週1回くらいのペースで、プレートを調整し、
低周波治療器(マイオモニター)での治療を受けていました。
低周波治療器・・・へぇー、こんな小さな歯科にも置いてあるんだー。
こんなの意味ないんだけどなー・・・。
低周波治療器の効果を完全に否定してしまっていた私は、時間のない時は
「今日は結構です」と断ってしまうこともありました。
M先生のプレート調整は、心持ち顎を前に出した状態で行われていました。
それでも、着けていられないほどの違和感はなく、少しだけ前へ・・・
という調整の繰り返しでした。
顎関節症を発症したことで虫歯治療が遅れ、かなりの本数の虫歯の治療を
することになってしまいました。
虫歯の治療中は、顎が痛むこともありましたが、
M先生は私の顎を気遣いながら、少しずつ治療を進めてくれました。
全ての歯を治療し終わるまで、半年くらいかかりました。
虫歯の治療が終わってからも、顎の治療は続きました。
M先生の「治ります」という言葉を心の中で否定しながら、
予約を入れてもらうまま、流されるように、私はM歯科へ通い続けました。
M歯科へ通い始めて1年半・・・2年近く経った頃・・・
低周波治療器の効果を少し感じるようになりました。
治療後は、顎の力がスッと抜けて、体が柔軟になった感じがするように
なっていました。
ある日、先生が言われました。
「だいぶ顎が前へ出てきましたね」
「えっ?」
私は自分の体の変化に気付いていませんでした。
それから数日後、私は前歯でラーメンが噛み切れることに気付きました。
私の歯は、いつの間にか、奥歯だけでなく歯全体で噛み合うようになっていました。
ある時、夫が言いました。
「お前、ほんとに顎、良くなったな」
「そうかな?」
そう言えば、最近は食事で痛みが出ることも減ってる・・・。
顎関節症を発症してから、約4年が経っていました。
その間に、自分では気付かないくらいに少しずつ、私の顎は回復していました。
「一生治らない」のに「治る」・・・
「治る」って、こういうことなんだ・・・。
私は、大学病院の教授が言われた「関節にタコができる」という言葉を
思い出していました。
そして、M先生が言われた「治る」ということの意味を知りました―。
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